【新NISA】『全世界株』と『米国株』どちらに投資すべきか?

資産運用を始めようと思うと、まず初めに大きな壁が現れます。

それはまさに、『米国株』『全世界株』のどちらのファンドに投資するべきか?です。

この選択は非常に難しく色々な意見が飛び交っていますので初心者の人が決めるには少々難易度が高めです。

この記事で分かること
米国株と全世界株10年チャート比較
米国株派の主張
全世界株派の主張
どちらに投資すべきか?

米国株と全世界株 10年チャート比較

米国株ファンドを代表するのは

『VOO』という投資ファンドです。(世界最大級の資産運用会社バンガードが運用しています)

ファンド誕生日: 2010年9月

米国株の代表的な指数である『S&P500』 の値動きに連動します。

運用総額は、約18兆円です。 経費率は0.03%

文句なしの最高レベルの優良ファンドですね!

全世界株ファンドを代表するのは

『VT』という、これまたバンガードが運用するETFです。

ファンド誕生日: 2008年6月

『FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス』の値動きに連動します。

先進国及び新興国の約47ヵ国の大型・中型・小型株の 約8000銘柄で構成される指数になります。

全世界の株式市場時価の98%をカバーしています。

要は、これ1本で世界中に投資できるということですね!

運用総額は1.6兆円 経費率は0.08%

こちらも文句なしの優良ファンドですね!

ということで実績を見ていきましょう!

青線VOOは、約10年で10,000ドル32,529ドルに成長 年率は12.86%

リターンの低かった年の成績は−4.5%
瞬間的な最大損失は−19.58%

赤線VTは、約10年で10,000ドル→21,150ドルに成長 年率は7.99%

リターンの低かった年の成績は−9.76%
瞬間的な最大損失は−22.15%

各年度のリターンを比べてみると米国株の8勝2敗となりました。

10年間のうち8年間は、米国株のリターンの方が、全世界株より高かったと言うことですね!

この10年を通してみると

米国株は3.3倍
全世界株は2.1倍

明確に勝負がついてしまいましたね!

こういうと皆さんは、米国株ファンド一択なのか!と思ってしまいますよね?

では、ここからが本題ですね!

  • 過去10年の成績を見て、米国株に賭けるべきなのか?
  • 米国経済の失速を読み、全世界株に賭けるべきなのか?

お互いの主張を見ていきましょう!

米国株派の主張

米国株派の主張をまとめると、この通り

  • 全世界株には、低成長の国も含む
  • 新興国の成長も、米国市場で取り込める
  • 世界分散は、リスク低減にならない
  • 唯一無二の長い歴史がある
  • 全世界株に、投資すると、余計なリスクを負う

順に見ていきましょう!

全世界株には低成長の国も含む

米国株派の人はこう主張します。

『なんで、わざわざアメリカより低成長の国に投資するの?』

『アメリカこそが、最も将来性の高い投資先じゃないか!』

この根拠をみていきましょう!

  • アメリカは、世界最大の経済大国!GDP世界最大です。
  • アメリカは、これからも人口が増えていく人口増加国である
  • アメリカは、株主重視の文化がしっかりしている
  • イノベーションが起きるのはいつも米国から

これほど素晴らしい条件が揃っている先進国は、米国において他にありません。

新興国の成長も米国市場で取り込める

今後、大きな成長が見込める『新興国市場』はどうでしょう?

米国株派の主張はこうです。

『米国株の大企業は、ほとんどがグローバル企業』

『新興国でも、既にビジネスの根を張っていて、その国の成長は取り込める!』

実際、S&P500を構成する企業達の『海外売上高比率』は、ここ数年40%〜50%も有ります。

米国の外にある国が成長しても、それを『まるまる取りこぼす』なんてことはないということ!

例えば、

アメリカ以外の国が成長しても、その国でiPhoneは売れるだろうしハンバーガーも売れるだろう!

こういうコトですね。

世界分散はリスク低減にならない

『世界分散しても、リスクヘッジにならない』

これも米国株派の人から良く聞かれる主張ですね!

感覚的には『分散投資すればするほど、リスクが低くなるんじゃないの?』と思いますよね?

では、感覚ではなく数字で見ていきましょう!

投資の世界では、リスクは『標準偏差』で測ります。

過去10年において

VOOの標準偏差は:13.22%
VTの標準偏差は:13.94%

数字が大きいほど『リスクが高い』と判断されます。

リスクが軽減できるどころか、むしろ全世界株の方が『リスクが高い』というのが、ここ10年です。

唯一無二の長い歴史

『歴史の長い試練に耐えてきたのは、米国だけ!』

こういう主張もあります。

NYダウは、これまでひたすら右肩上がりを続けてきました。

こんな超長期運用で右肩上がりの実績を残しているのは、米国の株式市場を除いて他に存在しません。

全世界株は余計なコストを負う

米国株派の人は、国際分散投資の重要性を認知する一方で、そのリターンとリスクが見合わないと判断しています。

新興国に投資するということは、その国の通貨リスクを負うということ!

つまり、基軸通貨であり、価格の安定した『ドル』だけ持っておけば良いという考えですね!

それに運用コストも高い!

VOOは0.03%、VTは0.08%

世界経済の中心、王道ど真ん中の『米国株投資』にわざわざコストをかけて『他国の株』をプラスする意味を感じない!

これが米国株派の主張でした!

次に、全世界株派の主張を見ていきましょう!

全世界株派の主張

米国株派の主張があれだけしっかりしていると、全世界株派の防戦一方な感じがしますね。

しかし、ただ言われっぱなしだけじゃないのが全世界株派です!

全世界株派の主張はこの通り

  • 米国の暗黒時代をお忘れですか?
  • 米国一強は、永続するとは限らない
  • インデックス投資の生みの親も全世界株派!

米国の暗黒時代をお忘れですか?

長期で見れば右肩上がりのチャートですが、特定の期間に区切ってみると『暗黒』の期間もある。

例えば、1966年2月〜1982年8月は完全なボックス相場でした。

ボックス相場とは

株価が、ある程度の範囲で上がったり下がったりを繰り返す相場のコトを言います。

2000年代には、『BRICS』(ブラジル・ロシア・インド・中国)を中心とする新興国株に負けに負けて、米国株ホルダーこそがまさに『情弱』でした。

最強の米国株といえど、10年15年と停滞することがあります!

米国一強は永続すると限らない

人類の歴史に目を向けてみると、特定の1つの国・政府が栄え続けたことはありません!

ローマ帝国にせよ!
江戸幕府にせよ!

どれだけ強力な力を持っていても、必ず歴史の波に飲まれてしまう。

今、米国は中国に覇権を奪われないように必死に戦っています。

しかし、GDPで見れば、中国がアメリカを抜くことはもはや必然でしょう。

世界のルールが変わる時、米国が今のようにトップを独走できるのか?

そして、その時代の転換点は、読めるのか?

全世界株派はこう主張します。

『勝つ国を、わざわざ予想して選ばなくて良い』VTのような、時価総額加重型のファンドに投資しておけば!

  • 強い国には多く投資して!
  • 弱い国には少なく投資して!

効率的なバランスに、ポートフォリオを自動的に調整してくれます。

インデックス投資の生みの親も全世界株派

インデックスファンドこそが、『庶民でとお金持ちになれる史上最強のツール』なわけですが、その生みの親は、全世界株派なのです。

なぜなら、全世界株への分散投資が『理論的に正しい』投資手法だからです。

ノーベル経済学賞を受賞した『現代ポートフォリオ理論』をもとにすると、どんな投資家でも、やるべき事は2つしかありません。

  • 市場全体に投資せよ(全世界株)
  • 『リスク資産』と『無リスク資産』の比率を調整する

つまり、VT(リスク資産)と円預金(無リスク資産)

この比率をコントロールする事だけに集中すれば良いということです。

リスクを多く取れる20代30代は、VT80%:預金20%

あまりリスクを取れない人は、VT40%:預金60%

こういう感じですね!

このやり方こそが『世界経済がどう転んでも、お金が増えていき、一文無しになるリスクがなく手間もかからない』永遠に戦える投資手法です。

全世界株ファンドさえ買っておけば

  • GAFAMのような企業は含まれますし!
  • 中国やインドが伸びてくればそこの企業も含まれますし!
  • 衰退してくる企業は、勝手に投資比率が落ちて除外されていきます!

世界経済の成長を、1つも取りこぼす事なく享受できます。

全世界株は、夢の『思考停止で無限に買い続けられるファンド』です。※もちろん!投資期間が長期ならです

投資期間が15年に満たない場合などは、元本割れを起こす可能性が高まってしまいます。

どちらに投資すべきか?

今回の記事では、米国株、全世界株、どちらに投資すべきか?

こんな悩みを解決するために

  • 米国株派の主張
  • 全世界株派の主張

これらを、それぞれ見てきました。

変化の激しい世界経済のなかで10年後、20年後に笑っているのは、

米国株派でしょうか?
全世界株派でしょうか?

私の答えは、
悩むのなら、腰を据えて長期投資できる『全世界株への投資』が良いと思います。

全世界株ファンドの半分以上は米国株です。

全世界株に投資したからって、米国が含まれないわけではありません!

もちろん大人気のGAFAMもテスラもしっかり含まれています。

どの国、どの企業が伸びても取りこぼしがないのが全世界株です。

『米国が絶対に勝つ!』という自信があるのでなければ、全世界株に投資することをオススメします。

資産運用を始めてみたい人は、こちらの記事が参考になると思いますよ

以上『全世界株』と『米国株』どちらに投資すべきか?でした!

最後までありがとうございました!

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