「物価が上がってる」「円が安くなってる」「金利が上がる」
最近よく聞くけど、正直どれもピンとこない…。

インフレとか円安って、投資してない人にも関係あるんですか?

もちろんあります。何もしなくても“お金の価値”が減るからです。
この記事では、そんなマクロ経済の動きを初心者でも理解できるように解説します。
- インフレ・金利・為替が「資産」にどう影響するか
- 円安・物価高の今こそ見直すべき投資法
- お金の価値を守る「分散投資」の考え方

“お金を増やす”前に、“お金を減らさない”仕組みを持とう!
インフレ・円安・金利上昇ってどういう状態?
まずは、「そもそもこの3つって何?」を整理しておきましょう。
どれもニュースでよく聞く言葉ですが、意味をざっくり理解しておくだけで“お金を守る力”がグッと上がります。
インフレ=モノの値段が上がる(=お金の価値が下がる)
インフレとは、物やサービスの値段が上がること。
たとえば、去年100円だったパンが120円になったら、それはインフレです。
でも、パンの価値が上がったわけではありません。
同じパンを買うのに、より多くのお金が必要になる。
つまり「お金の価値が下がる」ということです。

じゃあ、現金で貯金してるだけだと損してるってこと?

そう。モノの値段が上がるのに、預金金利はほとんど増えない。
“実質的にお金が減っている”のと同じなんだ。
円安=外国から見て「円の価値が安くなる」
円安とは、1ドル=100円が150円になるような状態。
つまり、「1ドルを買うのに必要な円が増えた」=円の価値が下がったということです。
その結果
- 海外から輸入するもの(ガソリン・食品など)が値上がり
- 一方で、米国株などのドル建て資産を持っている人には有利という両面があります。

円安になると、海外旅行が高くなるっていうのはそれか!

その通り。日本円しか持ってない人ほど、円安で“購買力”が落ちるんだ。
金利上昇=お金を借りるコストが上がる
金利が上がるとは、「お金を借りるときに支払う利息」が増えること。
企業も個人も、借金にかかるコストが上がると
- 企業は投資や事業拡大を控える
- 個人は住宅ローンやカードローンの支払いが増える
結果として「景気が鈍る」傾向になります。
ただし、逆にいうと「預金金利」や「債券の利回り」が上がるというメリットもあります。

金利が上がると株が下がるって聞くけど、なんで?

借金コストが増える=企業の利益が減るからだよ。
だから株より“利回りが上がった債券”にお金が流れるんだ。
ここまでの要点
- インフレ
モノの値段↑ → お金の価値↓ - 円安
海外から見て円が安くなる → 輸入品高騰 - 金利上昇
借金コスト↑ → 景気が冷えるが債券は有利

これら3つはバラバラじゃなく、実は“連動”して動くんだ。ニュースで一緒に出てくるのはそのせいだよ。
これらがあなたの資産に与える影響
インフレ・円安・金利上昇
ニュースで聞くだけだと遠い話に聞こえますが、実はあなたの資産に直接影響します。
順番に見ていきましょう。
インフレ → 現金の価値が目減りする
インフレの一番の問題は、「お金の実質的な価値が減る」こと。
たとえば…
- 去年:100円で買えたパン
- 今年:120円に値上がり
- 銀行預金の利息:0.001%
👉 つまり、預けたお金の購買力が減っているんです。

え、銀行に置いてるだけで損してるの!?

そう。見た目の数字は減らなくても、「使える力」が減ってるんだ。
インフレ対策の基本
- 現金を持ちすぎない
- お金の一部を“価値が上がる資産”に変える(株・ETFなど)
円安 → 海外資産の評価が上がる
円安になると、ドル建ての資産(米国株や海外ETFなど)は評価額が上がります。
例:
- 1ドル=100円 → 150円に円安になると
- 1ドル分の株を持っていた人の評価額は +50%アップ
つまり、円安=海外投資にプラス要素です。
ただし逆に、円高になれば下がるというリスクもあります。

じゃあ、円安のときに米国株を買えばいいんですね!

それが落とし穴。
為替は読めないから、コツコツ積み立てで平均化するのが安全だよ。
円安時のポイント
- 円安=海外投資が有利
- でも一時的に円高に戻ることもある
- 為替の波を平均化する「ドルコスト平均法」が有効
金利上昇 → 株価にはマイナス、債券にはプラス
金利が上がると、お金を借りる企業の負担が増え、株価は下がりやすくなります。
一方で、債券や定期預金の利回りが上がるという面も。

金利が上がるって悪いことばかりじゃないんですね。

そう。お金を「どこに置くか」でメリットにもデメリットにもなる。
だから分散しておくことが大事なんだ。
金利上昇局面の考え方
- 株だけに偏らない
- 債券や高配当株など“安定収益型”を増やす
- 住宅ローンなどの金利タイプ(固定・変動)も要確認
資産への影響まとめ
要素 | 起きること | 資産への影響 |
---|---|---|
インフレ | 物価上昇 | 現金の価値が減る |
円安 | 円の価値が下がる | 外貨・米国株の評価が上がる |
金利上昇 | 借入コスト上昇 | 株にマイナス・債券にプラス |

“現金だけ”で持つ時代はもう終わり。
円・株・金をバランスよく組み合わせるのが守りの基本です。
インフレ・円安・金利上昇に強い投資とは?
インフレや円安の影響をモロに受けるのは「現金」だけ。
つまり、“お金をお金のまま”にしておくことが一番のリスクなんです。
そこで大切なのが、
👉「お金の価値を守る」ための投資先を少しずつ持つこと。
ここでは、守りに強い代表的な3つを紹介します。
① 高配当ETF(VYM・HDV・SPYD)
高配当ETFとは、配当金を多く出す会社にまとめて投資する商品です。
たとえばVYMやHDV、SPYDなどが有名ですね。
インフレ時でも企業が利益を維持していれば、定期的な配当金(現金収入)が入ります。
つまり、物価が上がっても「お金の流れ」を持てるんです。

インフレでも株価が下がったら意味ないんじゃ?

長期で見れば配当が“再投資の力”になる。
しかもインフレ時はエネルギー・金融セクターが強い傾向があるんだ。
📌 ポイント
- インフレでもキャッシュフローを生む
- ドル建てなので円安時に評価額アップ
- 新NISAの「成長投資枠」で買える

“株価を上げよう”より、“配当をもらおう”に考えを変えるだけで安定するよ。
② ゴールド(金)
ゴールドは「価値保存の資産」として古くから信頼されています。
どんな国でも価値を持つため、通貨が不安定になったときの避難先になります。
- インフレが進むと、紙幣の価値が下がる
- でも金は「モノの価値」として残る
- 株や債券と違って、誰かの負債ではない
つまり、世界的にお金が不安定になるほど、金は買われる傾向があります。


金って儲かるというより「守る」ためなんですね?


その通り。金は“増やす資産”じゃなく“守る資産”。
だからポートフォリオの**10〜20%**を目安に持つのがおすすめだよ。
📌 ポイント
- インフレ・通貨不安時に強い
- ETF(GLDなど)や純金積立で簡単に買える
- 現物より管理コストの安い投資型もあり
③ 外貨建て資産(米国株・ドル建て債券)
円安になると、海外の通貨(ドルなど)の価値が上がります。
そのため、ドル建ての資産を持っている人は有利になります。
たとえば米国株ETF(VTI、VOO、VYMなど)やドル建て債券を保有していると、円換算したときに評価額がアップします。


でも為替が戻ったら下がっちゃうんですよね?


そう、だから“短期で狙う”より“長期で積み立てる”のが正解。
為替は予測できないけど、長期で見ると円安トレンドなんだ。
📌 ポイント
- 円安で評価額が上がる
- 米国の高配当ETFやS&P500連動型が主流
- 為替の波を平均化できる「定期積立」がベスト
守りに強い3本柱 まとめ
資産タイプ | 強い場面 | メリット |
---|---|---|
高配当ETF | インフレ・円安 | 配当収入+ドル資産効果 |
ゴールド | 通貨不安・インフレ | 価値保存・リスク分散 |
外貨建て資産 | 円安 | 為替差益・国際分散 |


“1つに頼らない”が最強のリスクヘッジ。
株・金・外貨をミックスして、どんな相場でも生き残れるポートフォリオを作ろう。
初心者がやるべきお金を守る3ステップ
インフレや円安のニュースを見て
「何かしなきゃ…」と思っても、
実際にどう行動すればいいのか分からない人が多いですよね。
そこでここでは、初心者でも今日から始められる“守りの3ステップ”を紹介します。
STEP① 現金比率を見直す
まずは、あなたの資産の中で「現金がどれくらいあるか」を確認しましょう。
現金は安心感がありますが、インフレが続くと価値が目減りします。
だから、「使うためのお金」と「守るためのお金」を分けるのがコツです。
📌 目安の考え方
- 生活費の6か月分までは現金でOK(生活防衛資金)
- それ以上は、少しずつ投資に回してOK
- 預金口座を「生活用」「投資用」で分けると管理が楽


いきなり全部投資に回すのは怖いんですけど…。


もちろん無理は禁物。
“生活費+安心できるクッション”を残してからで十分だよ。
STEP② 円・外貨・金の3本柱で分散する
1つの通貨・1つの資産だけに依存するのは危険です。
「円だけ」「株だけ」「日本だけ」──これが一番リスク。
だからこそ、3本柱でバランスをとるのが大切です。
資産の柱 | 目的 | 代表的な手段 |
---|---|---|
円資産 | 生活費・緊急資金 | 普通預金・定期預金 |
外貨資産 | 為替・成長取り込み | 米国株ETF・外貨預金 |
金(ゴールド) | 通貨防衛・価値保存 | 純金積立・金ETF(GLDなど) |


なんか難しそう…。どう配分すればいいんですか?


ざっくりでOK!
たとえば「円30%・外貨50%・金20%」くらいを目安にするとバランスが取れるよ。
📌 アドバイス
- 毎月1万円ずつでもOK
- 「投資+金積立」だけで3本柱を作れる
- 金利・為替の動きが変わっても安定感がある
STEP③ 長期・少額・継続で守りながら増やす
投資は「一気に」やるものではありません。
特に初心者のうちは、少額から長く続けるのが最強の戦略です。
- 月1万円でもOK(つみたてNISAなら100円から)
- 高配当ETFをコツコツ買えば、ドル資産+配当を両方ゲット
- ゴールドも毎月積み立てで平均取得できる


相場が下がったらどうすればいいですか?


下がっても慌てない。
“安く買えるチャンス”と考えて淡々と続けよう。
大事なのは“時間を味方にする”ことだよ。
📌 ポイント
- 継続こそ最大のリスク対策
- 「ドルコスト平均法」で買値をならす
- 下落時も淡々と積み立てることで資産が育つ


守りの投資=地味。でも、地味こそ最強。
速攻で儲かる話より、10年後に後悔しない仕組みを作ろう。
まとめ|お金を守ることがお金を増やす第一歩
ここまで見てきたように、
インフレ・円安・金利上昇は「ニュースの話」ではなく、
あなたの生活と資産に直結するテーマです。
もう一度おさらい
経済の動き | 何が起こる? | どう対策すべき? |
---|---|---|
インフレ | モノの値段↑・お金の価値↓ | 現金を持ちすぎず、配当資産を保有 |
円安 | 円の価値↓・ドル資産↑ | 外貨・米国ETFで分散 |
金利上昇 | 借金コスト↑・株価下落傾向 | 債券・高配当株・金も組み合わせる |


つまり、現金だけだとどんどん不利になるってことですか?


そう。
「お金の価値が減る=“目に見えない損失”」なんだ。
だから、“守りの仕組み”を持つことが最初の投資なんだよ。
今からできる3つの行動
- 現金比率を見直す(生活費6か月+α)
- 円・外貨・金の3本柱をつくる
- 長期・少額・継続で守りながら増やす
📌 これらを意識するだけで、
「物価に負けない・為替に振り回されない」資産体制を作れます。


“お金を増やす”より先に、“お金を守る”が大事。
インフレや円安に負けない仕組みを作った人だけが、
10年後も“お金の不安”から自由でいられます。
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当ブログは一次情報に基づいて執筆しています
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