近頃、『みんなで大家さん』に対する興味と議論が高まっていますね。実際のところ、収益性はどうなのでしょうか。
「始めてみたけれど、XXでがっかりした!」このような後悔を避けるためにも、しっかりとした知識の習得が必要です。
この記事で学べる内容
- 『みんなで大家さん』の基本概念
- 『みんなで大家さん』の9つの特徴
- 『みんなで大家さん』の5つのデメリット
これらのポイントを踏まえ、『みんなで大家さん』について深く理解し、賢明な判断を下すための参考にしてください。
みんなで大家さんとは?
「みんなで大家さん」とは、不動産投資を通じて定期的な賃貸収入を分配する形の投資戦略です。
公式サイトによると、このプログラムは匿名組合契約を利用し、投資家が不動産から得られる収益を分配する仕組みになっています。
主に、安定した賃貸収入を目的とした投資を希望する人々に向けられています。
みんなで大家さんの特徴9つ
- 株より低リスク、預金より高利回り
- 預金感覚で始められる
- 想定利回り6.0〜7.0%
- テレビ、新聞、専門誌などで高評価
- 面倒な不動産の管理等は一切不要
- 申し込み手数料は無料
- 1口100万円から投資可能
- 年6回の隔月で分配金が受け取れる
- 優先劣後システムを採用
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みんなで大家さんの不動産投資の仕組み
「みんなで大家さん」による不動産投資の流れは以下の通りです。
- 各投資家が小額の資金を共同で出資します。
- この出資金を用いて、高品質な不動産を購入します。
- 得られた賃貸収入を、出資者全員で分配します。
これは、以前紹介したREIT(不動産投資信託)の基本概念と類似していますね。
匿名組合契約とは?
「みんなで大家さん」の不動産投資に参加する際、投資家は都市綜研インベストファンド株式会社と「匿名組合契約」を結びます。この契約の特徴は以下の通りです:
- 出資者同士の情報は非公開。
- 登記費用は不要。
- 出資分の売買ができず、流動性に欠ける。
また、他の出資者の情報は公開されず、運営事業者が不動産の所有権を持つため、投資家には登記費用がかかりません。発言権はなく、事業運営者への信頼が重要です。
運営会社について
運営会社の概要について説明します。
最初に、『みんなで大家さん』の販売を専門に行うのは『みんなで大家さん販売株式会社』です。この会社は、みんなで大家さんシリーズ全体の販売業務を一手に担っています。
販売業務専門の企業として独立して運営されており、『みんなで大家さん』に関する問い合わせや資料の請求は、この会社が窓口になります。
会社情報の概要
- 本社所在地: 東京都千代田区麹町
- 代表取締役: 柳瀬健一
- 設立年月: 1998年8月
- 資本金: 1億円
- 従業員数: 62人
公式サイトはこちらです。
みんなで大家さんの公式サイト
続いて、運営を担うのは『都市綜研インベストファンド株式会社』で、みんなで大家さんシリーズの管理および運営を主な業務としています。
業務内容には、以下が含まれます:
- 新規物件の獲得と調査
- 保有物件の管理および運営
- 保有物件の売却
- 出資者への利益分配
- 運用状況のレポート提出
会社情報の概要
- 本社所在地: 大阪府大阪市北区堂島
- 代表取締役: 柳瀬健一
- 設立年月: 1999年8月
- 資本金: 29億2,330万円
なお、『都市綜研インベストファンド株式会社』は2013年5月に大阪府から一時的な営業停止処分を受けた経歴がありますが、この情報は公式ホームページにも記載されています。
それ以降、みんなで大家さんは問題なく運営を続けているとのことです。
これが、運営会社に関する概要です。
みんなで大家さんの評判が悪い5つの理由
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- 匿名組合の利用
- 警戒すべき古典的な危険信号
- 運営組織の財政健全性
- 初期投資額が高額(最低100万円以上)
- 税務上の不利益
匿名組合スキーム
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『匿名組合』スキームに関しては、重要な問題点が存在します。具体的には、投資家保護の枠組みが不十分であることです。
率直に申し上げると、このスキームを採用している事実だけで、『未経験者は投資を避けたほうが賢明』と警告されるレベルです。
その理由は、過去に日本で発生した大規模な詐欺事件の多くで、匿名組合スキームが使われていたからです。
例を挙げると、
- 平成電電事件(2006年)
通信分野のベンチャー企業「平成電電」が、年利10%の高い利回りを謳って個人投資家から集めた約490億円を持ち逃げし、その結果、倒産。経営者は詐欺の罪で逮捕されました。 - 安愚楽牧場事件(2011年)
「安愚楽牧場」が、繁殖用母牛への出資を募り、子牛の販売から得られるはずの収益で大きなリターンを期待させました。しかしながら、集められた莫大な出資金と共に倒産し、73,356人が約4,300億円の損失を被りました。
近年では、ソーシャルレンディング業界でも類似の問題が頻繁に発生しています。
ソーシャルレンティングとは
ソーシャルレンディングは、資金が必要な事業者と投資を希望する個人を結びつける金融サービスです。このサービスは「匿名組合」スキームを使用し、投資家は出資することでリターンを得ることが期待されます。
主なポイント
- 匿名組合スキーム:
- 投資家から見て、資金の使途が不明瞭であるため、信頼性に欠ける面があります。
- 投資家保護の観点から問題視されることも多いです。
- maneoの事例:
- 運用利回り5%~8%の収益を提示し、多額の資金を調達。
- 2019年に配当支払いの遅延が発生し、集団訴訟に発展。
- SBIソーシャルレンディングの事例:
- 不祥事により廃業。
- 親会社のSBIホールディングスはソーシャルレンディング事業から撤退。
投資リスク
- 匿名組合型の投資スキームは、資金力があり投資経験が豊富なプロ向け。
- 投資初心者や低リスク志向の人には不向きです。
- 詐欺や不正行為のリスクが存在。
マネーハイスクールでの推奨方針
マネーハイスクールでは、匿名組合型の投資スキームを推奨しません。
より透明性が高く、信頼性のある投資手法を推奨します。
古典的な要注意ワード
投資のプロモーションには、警戒が必要なフレーズがよく含まれています。例えば、「みんなで大家さん」のようなプロモーションに見られる典型的なフレーズには以下のようなものがあります。
「共に幸せを増やしていく」
- 投資には常にリスクが伴います。信頼できる金融機関は、幸せが保証されるとは主張しません。
「日々の価格変動がなく、元本が安全」
- 実際には不動産の価値変動や賃貸収入の安定性、資金繰りの状態によって元本の安全性が左右されます。
「預金のように始めやすい投資」
- 預金と比較して低リスクであるかのような印象を与えますが、実際にはリスクレベルが大きく異なります。
「年に6回の分配金」
- 高利回りを約束しつつ、リスクがほぼないとする主張は現実的ではありません。
「年利7.0%の高利回り」と「元本割れのリスクがほぼない」という両立
- 高いリターンには相応のリスクが伴います。
これらの表現は特に投資未経験者が誤解を招く可能性があり、十分な警戒が必要です。投資の際にはこれらのフレーズに惑わされず、慎重な判断が求められます。
運営会社の財務状況
推奨しない理由の第三点は、運営企業の財務状況にあります。2023年の最新の情報をもとに、以下の点が明らかになりました。
- 総資産:
約1230億円、そのうち1170億円が不動産投資に充てられています。 - 募集資金:
895億円 - 自己資本比率:
約7.35%
この数値は、集めた資金をほぼ全額不動産投資に充てていることを示しています。自己資本比率が業界平均を大きく下回り、リスクの取り方が非常に積極的であることが分かります。
流動資産と流動負債
- 流動資産: 約62億円
- 流動負債: 約258億円
流動比率:
- 安全基準: 200%以上
- 標準: 100%〜200%
- 『みんなで大家さん』の流動比率: 約24%(非常に低い)
懸念点
- 賃貸収入の不安定性:
賃貸収入だけで出資金の返済が難しい場合もあり、不動産市場の価格上昇が停止し、新たな出資が集まらなくなると資金繰りが非常に厳しくなります。 - 不動産売却の必要性:
負債を返済するためには、不動産の売却や新たな出資の募集が必要になることが予想されます。
投資金額の最低限が100万円以上と設定されている点
投資界では一般的に、リスクとリターンのバランスがあります。高いリスクを背負う場合は、それに見合った高いリターンを期待できるという原則があります。
個人的には、『みんなで大家さん』を高リスクな投資と捉えています。この種の投資から利益を得るためには、資産の分散を図ることが非常に重要です。
しかし、100万円というスタートラインは多くの人にとっては高額過ぎる投資額であると言えます。
皆さんは「ジャンクボンド」や「ハイイールド債」という用語を聞いたことがありますか?
ジャンクボンドとは
ジャンクボンドは、返済の不履行リスクが比較的高い債券を指します。これは、借りた資金の返還が不確実になる可能性が高いという意味ですが、そのリスクを背負う代わりに得られる利回りは一般的に高めです。
「ジャンクボンドの帝王」と称されたマイケル・ミルケン氏は、このような債券から収益を上げる方法を確立しました。
彼の考えはシンプルです:ジャンクボンドのリスクは高いものの、それに見合う高利回りが得られるため、多数のジャンクボンドに分散投資すれば、一部がデフォルトしても全体としては利益が出るというものです。
例えば、HYGというファンドはジャンクボンドに特化しており、約1,300種類のジャンクボンドに投資しています。これが分散投資の力であり、ジャンクボンド投資の成功の鍵です。一部の債券がデフォルトしたとしても、他の高利回り債券によって損失を補填できます。
『みんなで大家さん』の出資が直接ジャンクボンド投資と同じであるとは言いませんが、財務状況や投資スキームを鑑みると、低リスクとは言えないのも確かです。リスクが高い投資には、分散投資の徹底が求められます。
いざという時にも全体の収益や資産への影響を最小限に抑えるため、リスク管理として総資産の一部(例えば1%程度)に留めるのが賢明です。つまり、ハイリスクな投資に100万円を投じるなら、総資産が1億円程度あることが望ましい、というのが私の提案です。
税務上の不利益について
最終的に触れるべきは税務の側面です。
匿名組合からの収益は、「雑所得」として分類されます。これが投資家にとってはかなり不利な条件となります。その理由として、主に以下の二つが挙げられます。
1. 損失の繰り越し控除が認められない
株や投資信託で生じた損失については、最大3年間の繰り越しを行うことが可能です。
例:
- 初年度には30万円の損失が発生し、
- 翌年にはさらに50万円の損失が加わり、
- 三年目には100万円の収益が得られた場合、
初年度と翌年の合計損失80万円は、三年目の収益から差し引くことができ、税務上の所得は20万円になります。これにより、支払う税金は所得20万円に対する税率で計算されます。これが損失繰り越しのメリットです。
しかし、「雑所得」の場合、このような繰り越し控除の適用はありません。一度発生した損失は、その年度でのみ処理され、翌年以降の利益との相殺は認められないのです。上記の例においては、三年目の税金が100万円の全額に対して課されることになります。
2. 累進課税が適用される
株式取引による利益や配当に適用される税率は一般に20.315%で統一されています。しかし、雑所得の場合、税率は所得に応じて高くなる累進税率が適用されます。これは、収入が増加するにつれて税率も上昇するシステムを指します。さらに、この上に住民税の10%が加算されます。
税率
具体的には:
- 年収が330万円を超える人の場合、所得税が20%に加えて住民税が10%適用され、合計で30%の税率が課せられます。このように、平均的な収入を超える人にとっては、雑所得は株式投資に比べて税負担が重くなります。
雑所得には他にも、損益通算が不可能であったり、確定申告が必須となるなどのデメリットが存在します。雑所得は、多くの所得形態の中でも特に厳しい扱いを受けているカテゴリーの一つです。例えば、仮想通貨の収益も雑所得に分類されており、これはよく知られています。
税制面を深く考慮する熟練の投資家は、投資活動において税率の影響を極めて重視します。リスクを伴う投資を、不利な税制の下で行うのは避けたいところです。
特に不動産投資は、初心者には取り組みにくい分野とされています。「みんなで大家さん」のように「誰でも簡単に不動産から収入を得られる」と宣伝されている場合でも、注意が必要です。不動産投資は、甘く見てはいけない、手堅い準備と知識が求められる投資です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 「みんなで大家さん」とは何ですか?
A1: 「みんなで大家さん」は、多数の投資家が少額から不動産投資に参加できるプラットフォームです。匿名組合契約を通じて、一般の人々が不動産オーナーとしての収益を目指すことができます。
Q2: 投資の最低金額はいくらですか?
A2: 投資の最低金額は通常、100万円からとなっています。これにより、比較的少額で不動産投資を始めることが可能です。
Q3: 匿名組合契約とはどのようなものですか?
A3: 匿名組合契約は、投資家が運営会社と結ぶ契約で、投資家の名前が公開されることなく、不動産投資に参加できる仕組みです。これにより、プライバシーが保護されます。
Q4: 投資に伴うリスクは何ですか?
A4: 不動産投資には、市場の変動、運営会社の財務状況の不安定さ、物件の空室リスクなど、複数のリスクが伴います。投資前にこれらのリスクを十分に理解し、慎重に検討することが重要です。
Q5: 「みんなで大家さん」の利益はどのように計算されますか?
A5: 利益は、投資した不動産からの賃貸収入や売却益に基づいて計算されます。これらの収益から運営費用や管理費を差し引いた後の金額が、投資家に分配されます。
Q6: 投資した金額をいつ取り戻すことができますか?
A6: 投資した金額の回収は、不動産の売却時や契約期間の終了時に可能となりますが、流動性が低いため、すぐに売買することは難しい場合があります。詳細な条件は契約内容を確認してください。
Q7: 運営会社の選定基準は何ですか?
A7: 運営会社を選定する際には、その財務状況、過去の実績、運営の透明性などを確認することが重要です。信頼できる運営会社の選定には、専門家の意見を参考にすることも有効です。
Q8: 税金はどのように扱われますか?
A8: 「みんなで大家さん」から得られる収益は、所得として課税されます。税率は個人の総所得に依存し、累進税率が適用される場合があります。また、損失を繰り越して控除することはできません。税務に関する詳細は、税務専門家に相談することをお勧めします。
まとめ
本記事では、「みんなで大家さん」とその推奨できない理由について、以下の2点を深堀りしました。
- 「みんなで大家さん」の概要
- 投資の最低単位は100万円からで、年間7%の収益が期待できる不動産投資です。
- 年に6回、収益の分配があります。
- メディアにおいても高い評価を受けています。
- 推薦できない5つの理由
- 匿名組合の利用
- 資金の使途が不明瞭で、信頼性に欠ける。
- 注意すべき広告文言
- 「共に幸せを増やしていく」、「元本が安全」などの誤解を招く表現。
- 運営会社の財務状態
- 自己資本比率が低く、流動比率も非常に低い。
- 投資開始額が高額であること
- 最低投資額が100万円と高額で、多くの投資家にとって負担が大きい。
- 税制の不利さ
- 収益が「雑所得」として分類され、損失の繰り越し控除が認められず、累進課税が適用される。
- 匿名組合の利用
個人的には、「みんなで大家さん」の推薦は見送ります。この種の投資は、「一攫千金」を狙いやすいものの、一度のトラブルで、得た利益どころか投資元本まで損失する可能性があります。
「みんなで大家さん」は、これまで14年間、元本の損失がなく、予想された収益を安定して提供してきたことは評価に値します。しかし、投資には常にリスクが伴います。
高い収益率、安全性、頻繁な収益分配が特徴の投資商品に対する魅力は理解できますが、投資とはリスク管理が不可欠です。「低リスクで高収益を目指す」という考えに慎重になるべき時です。投資に関する知識をさらに深めることをお勧めします。
資産収入を手に入れるなら高配当株投資がおすすめ
不動産投資に代わるもう一つの魅力的な選択肢として、高配当株投資があります。高配当株は、企業が安定した利益を上げ、その一部を配当として株主に還元する株式です。
高配当株投資のメリット:
- 安定した収益: 高配当株は、企業が長期にわたって安定した配当を提供するため、安定した収益を期待できます。
- リスク分散: 複数の高配当株に分散投資することで、リスクを低減し、安定した収入を確保できます。
- 税制上のメリット: 高配当株の収益は、配当所得として扱われ、特定口座を利用することで源泉徴収が行われ、確定申告の手間が省ける場合もあります。
例えば、以下のような高配当株をポートフォリオに加えることで、安定した資産収入を得ることが可能です:
- 三菱商事 (8058.T): 総合商社で、エネルギー、金属、機械、化学品など多様な事業を展開。
- 三井物産 (8031.T): 幅広い事業ポートフォリオを持つ総合商社。
- NTTドコモ (9437.T): 日本最大の通信事業者。
これらの高配当株は、安定した収益を求める投資家にとって魅力的な選択肢となります。投資を検討する際には、リスク管理をしっかりと行い、資産収入を最大化する戦略を立てることが重要です。
コメント
実は、前々から少し気になってました。
この度は優良な情報ありがとうございました^^
そうだったんですね!
参考になっていただけたなら嬉しく思います!
ありがとうございます。
やはり、そうでしたか!
そんな気はしてました。
はじめてしまっているのでるのですぐに撤退しようと思います。
そうだったんですね。
将来性があまりないので撤退をオススメしますね。
みんなで大家さん。最近よくCMで見かけますね。
詳しい方が解説されているのは有り難いです。
参考になりました。
ありがとうございます。
目にする機会が増えましたよね。
この世の中の98%くらいがお粗末な投資商品ばかりですからね。
参考になってくれたのであれば幸いです。
こちらこそありがとうございました。
大変、分かりやすく説明していただき、リスクのある投資なんだなと云う事がよくわかりました。他のサイトで、やけに安全を強調する説明がありましてちょっとその気になりかけていたのですが、途中、途中に、みんなで大家さんのページに行かせようとするので何か嫌な感じがしていたのですが辞めることにします。私のようなど素人が一番騙されやすいのかもしれませんね。